腰痛持ちのあなたへ

この記事では腰痛を楽にするためのストレッチ方法を紹介します。実際に腰痛持ちの僕が試して納得したストレッチ方法になります。忙しい毎日でも短時間で行える方法です。辛い思いをこれ以上しないためにもぜひ、最後までご覧ください。

なぜ、ストレッチで腰痛を撃退できるのか?

ストレッチで腰痛を撃退できる理由は、筋肉をほぐして血流を促進できるからです。

筋肉の中には血管が通っています。座りっぱなしや悪い姿勢が続くと筋肉はぎゅっと圧縮されて固まります。すると筋肉の中にある血管もぎゅっと圧迫されて血流は悪化します。

カラダはこの状況を僕達に教えるため、血流が悪くなっている場所で危険信号として発痛物質を出します。この発痛物質が周囲の神経を刺激して「痛い…」と腰痛になると考えられています。

硬くなっている筋肉をストレッチして伸ばしましょう。すると血流が促進されて、腰痛が楽になっています。

ポイントは硬くなっている筋肉をストレッチすることです。

実際にどこの筋肉をストレッチすると腰痛は楽になるのでしょうか。次は腰痛の原因になる可能性が高い5つの筋肉を見ていきましょう。

腰痛の原因になるストレッチすべき5大筋肉

背中の両脇を通る『脊柱起立筋』

脊柱起立筋は背中の両脇を通り、首から背中まで伸びている大きな筋肉です。

姿勢を真っ直ぐ維持したり、体を反らしたり左右に倒す動作に関係します。姿勢を維持するために常に働き続けるため、硬くなりやすい筋肉でもあります。脊柱起立筋が硬くなると腰の血行が悪くなり腰痛になりやすくなります。

背中から腰にかける『広背筋』

背中にある筋肉の中で最大の筋肉です。

体幹を安定させたり、腕を動かすときに使われます。広背筋が硬くなってくると腕を上げにくくなります。すると上半身の動きが制限されてしまい、代わりに腰への負担が集中して腰痛となります。また、背中全体が丸まり猫背になりやすくなります。すると椎間板に負担がかかり腰の痛みにつながりやすくなります。

背中と腰をつなぐ『腸腰筋』

腸腰筋とは2種類の筋肉があります。1つ目は骨盤から太ももの骨につながっている腸骨筋、2つ目は腰の骨から太ももの骨につながっている大腰筋があります。いずれも股関節を曲げる、つまり太ももを上げる働きに重要です。これらの筋肉はデスクワークなど座り続けていると硬くなってきます。すると骨盤が前方に引っ張られ、反り腰となって腰の痛みにつながります。

お尻の奥にある『梨状筋』

梨状筋とはお尻の深いところにある筋肉です。お尻の表面にある大きな筋肉である『大臀筋』よりも『梨状筋』は奥にあります。長時間座ったり、悪い姿勢を続けて梨状筋に負荷がかかると硬くなります。梨状筋の下を通る『坐骨神経』が圧迫され、腰の痛みだけではなく、お尻から太もも、ふくらはぎ、足先にかけての痛みや痺れにつながりやすくなります。

太ももの裏にある『ハムストリングス』

ハムストリングスとは太ももの裏側にある3大筋肉の総称です。大腿二頭筋、半腱様筋、半膜様筋があります。ハムストリングスは膝や股関節の動きを担当して、歩いたり、階段を登ったりと移動する上で重要な役目があります。また骨盤への影響もあります。ハムストリングスが硬くなってくると骨盤が後ろに傾き、姿勢の悪さや腰を痛めやすくなります。

さて、ここまで腰痛に関係してくる大切な5つの筋肉を紹介しました。全ての筋肉をストレッチして腰痛に働きかけることができれば100点です。しかし、毎日忙しくて時間がないことも実際あります。そこで、あなたのどの筋肉が硬くなっているのかを確認するチェックリストを用意しました。このチェックリストをしてみて過半数以上該当した筋肉をストレッチして腰痛を楽にしましょう。

かたい筋肉を見つけるチェックリスト

  • 脊柱起立筋
    • 長時間同じ姿勢でいると背中や腰の痛みが強くなる
    • 体をそらす、ひねる、前屈すると背中や腰に突っ張り感がある
    • 反り腰である
    • 肩こりや首の痛みがある
    • 朝起きたとき、背中や腰が固まっていて動かしにくい
    • 前屈がしにくい
    • 漠然と疲れやすかったりだるさがある
  • 広背筋
    • 猫背や巻き型である
    • 反り腰である
    • 腕が上がりにくい
    • 体をねじったり横に倒しにくい
  • 腸腰筋
    • ぽっこりお腹に見える
    • 猫背
    • 立つとき、歩くときに腰が痛い
    • 長時間座った後に立ち上がると腰が伸びにくい
    • 仰向けに寝転ぶと腰が浮く
    • 足が冷えたり浮腫む
  • 梨状筋
    • お尻全体に痛みや痺れがある
    • 太ももの裏側やふくらはぎまで痛みや痺れがある
    • 長時間座っているほど痛みが強くなる
    • 痛いとき体を動かすと痛みが取れる
    • 階段を上がったり、深くするわると痛みや違和感を感じる
  • ハムストリングス
    • 膝を曲げずに前屈すると腰や太ももの裏につっぱりを感じる
    • 前屈しても指を床に届かない
    • しゃがみにくい
    • 和式トイレに座るように腰を深く落とせない
    • 歩幅は狭い
    • 太ももの裏を伸ばすと筋肉の奥や痛い
    • 太ももの裏を伸ばすと強く張ったりする感覚がある

さて、今のあなたのどこの筋肉が硬くなっているのかわかったでしょうか。次はその筋肉を柔らかくするストレッチ方法を紹介します。

自宅でできる腰痛を改善するストレッチ方法

脊柱起立筋

立ちストレッチ

キャット&カウ(立位)

  1. 両足を肩幅に広げて立ち、両手をももに置きます。
  2. 息を吐きながら背中を丸め、おへそを覗き込みます(キャットポーズ)。
  3. 息を吸いながら胸を引き上げて背中を反らし、目線は斜め上に向けます(カウポーズ)。
  4. 呼吸に合わせてこの動きを数回繰り返します。

ワンポイントアドバイス

この方法はデスクワークや運転中に背中を伸ばしたいときに使えます。

床ストレッチ

長座で背中を丸めるストレッチ

  1. 床に長座で座り、両膝を軽く曲げます。
  2. 両手で膝の裏を持ち、手を引くようにして背中を丸めます。
  3. 呼吸を続けながら、20~30秒キープします。

ワンポイントアドバイス

この方法はデスクワークや運転中に背中を伸ばしたいときに使えます。

捻りのポーズ

  1. 床に長座で座ります。
  2. 右膝を立てて、左脚の外側にかけます。
  3. 左脚を曲げ、かかとをお尻にできるだけ近づけます。
  4. 背筋を伸ばし、息を吐きながら上半身を右にひねります。
  5. 呼吸を続けながら20~30秒キープし、反対側も同様に行います。

ワンポイントアドバイス

この方法はデスクワークや運転中に背中を伸ばしたいときに使えます。

椅子ストレッチ


背中を丸めるストレッチ方法

  1. 椅子に深く座り、両手で膝の裏を抱えます。
  2. 息を吐きながら、骨盤を後ろに倒し、背中全体を丸めます。目線はおへそに向けます。
  3. 呼吸を続けながら、20~30秒キープします。
  4. ゆっくりと元の姿勢に戻します。

ワンポイントアドバイス

この方法はデスクワークや運転中に背中を伸ばしたいときに使えます。

体をひねるストレッチ

  1. 椅子に浅く座り、足を腰幅程度に開きます。
  2. 背筋を伸ばしたまま、ゆっくりと腰を後ろにひねります。後ろを振り返るようなイメージです。
  3. ひねった状態で、深呼吸しながら10~30秒キープします。
  4. ゆっくりと正面に戻り、反対側も同様に行います。
    ※背もたれがある椅子の場合は、背もたれをつかむとより効果的です。

ワンポイントアドバイス

この方法はデスクワークや運転中に背中を伸ばしたいときに使えます。

広背筋のストレッチ方法

床ストレッチ

チャイルドポーズ(四つ這い)

  1. 四つ這いになります。
  2. 両手を前方に伸ばし、お尻をかかとに近づけるようにして体を沈めていきます。
  3. 脇の下から背中全体が伸びるのを感じながら、リラックスして深呼吸を続け、20~30秒キープします。

ワンポイントアドバイス

この方法はデスクワークや運転中に背中を伸ばしたいときに使えます。

膝立ちで体をひねるストレッチ

  1. 膝立ちになり、片方の足を真横に伸ばします。
  2. 伸ばした足と反対側の腕を天井に向けて伸ばし、体を伸ばした足の方へ側屈します。
  3. 体を真横に倒すことを意識して、広背筋の伸びを感じる場所で20~30秒キープし、反対側も同様に行います。

ワンポイントアドバイス

この方法はデスクワークや運転中に背中を伸ばしたいときに使えます。

立ちストレッチ

サイドベント(側屈)

  1. 両足を肩幅に開いてまっすぐ立ちます。
  2. 両腕を頭の上に上げ、左右どちらかの手で反対側の手首をつかみます。
  3. 手首をつかんだ方の手で腕を軽く引っ張りながら、上半身を真横にゆっくり倒します。
  4. この時、体が前後に傾かないように注意し、脇腹から背中にかけての伸びを感じましょう。
  5. 呼吸を止めずに20~30秒キープし、反対側も同様に行います。

ワンポイントアドバイス

この方法はデスクワークや運転中に背中を伸ばしたいときに使えます。

壁を使ったストレッチ

  1. 壁の前に立ち、両手を伸ばして肩幅より少し広めに壁につけます。
  2. 腕と背中を一直線にするイメージで、お尻を後ろに引き、胸を床に近づけていきます。
  3. 腰が反らないように注意しながら、広背筋の伸びを感じる場所で20~30秒キープします。

ワンポイントアドバイス

この方法はデスクワークや運転中に背中を伸ばしたいときに使えます。

椅子ストレッチ

手を組んで体をひねるストレッチ

  1. 椅子に座り、両手を胸の前で組みます。
  2. 背筋を伸ばしたまま、息を吐きながらゆっくりと上半身をひねります。
  3. ひねった状態で深呼吸しながら10~30秒キープし、反対側も同様に行います。

ワンポイントアドバイス

この方法はデスクワークや運転中に背中を伸ばしたいときに使えます。

腸腰筋のストレッチ方法

床ストレッチ

膝立ちで行うストレッチ

  1. 片膝を床につき、もう一方の足を大きく前に踏み出します。
  2. 後ろの膝の下には、タオルやクッションを敷くと、膝への負担が軽減されます。
  3. 背筋を伸ばし、骨盤を立てた状態をキープします。
  4. ゆっくりと重心を前に移動させ、後ろの足の付け根(股関節の前側)が伸びているのを感じます。
  5. そのまま20~30秒キープし、ゆっくりと元の姿勢に戻ります。
  6. 反対側も同様に行います。

ワンポイントアドバイス

この方法はデスクワークや運転中に背中を伸ばしたいときに使えます。

梨状筋のストレッチ方法

床ストレッチ

仰向けで行うストレッチ(膝を抱え込む方法)

  1. 仰向けに寝て、両膝を立てます。
  2. 片方の足首を、もう一方の膝の上に置きます。(数字の「4」のような形になります)
  3. 両手で、下にしている足の太ももの裏側をつかみます。
  4. ゆっくりと膝を胸に引き寄せていき、お尻の奥が伸びているのを感じる位置でキープします。
  5. そのまま20~30秒間キープし、ゆっくりと元の姿勢に戻します。
  6. 反対側も同様に行います。

ワンポイントアドバイス

腰が床から浮かないように注意しましょう。痛みを感じる場合は無理をせず、気持ちいいと感じる範囲で行います。

椅子ストレッチ

椅子で行うストレッチ

  1. 椅子に浅く座り、背筋を伸ばします。
  2. 片方の足首を、もう一方の膝の上に置きます。
  3. 背筋を伸ばしたまま、ゆっくりと上半身を前に倒していきます。
  4. お尻の奥が伸びているのを感じる位置で、20~30秒間キープします。
  5. ゆっくりと元の姿勢に戻り、反対側も同様に行います。

ワンポイントアドバイス

腰が床から浮かないように注意しましょう。痛みを感じる場合は無理をせず、気持ちいいと感じる範囲で行います。

ハムストリングスのストレッチ方法

床ストレッチ

膝を抱え込む方法

  1. 仰向けに寝て、両膝を立てます。
  2. 片方の膝を両手で抱え、太ももを胸に引き寄せます。
  3. その状態から、抱えている膝をゆっくりと伸ばしていきます。
  4. 太ももの裏が伸びて気持ちいいと感じる場所で、20~30秒キープします。
  5. 反対側も同様に行います。

ワンポイントアドバイス

腰が床から浮かないように注意しましょう。痛みを感じる場合は無理をせず、気持ちいいと感じる範囲で行います。

タオルやバンドを使う方法

  1. 仰向けに寝て、片方の足の裏にタオルやストレッチバンドをかけます。
  2. タオルの両端を持ち、ゆっくりと膝を伸ばしながら、足を天井に向かって上げていきます。
  3. 呼吸をしながら、太ももの裏が伸びるのを感じる位置でキープします。
  4. 反対側も同様に行います。

ワンポイントアドバイス

腰が床から浮かないように注意しましょう。痛みを感じる場合は無理をせず、気持ちいいと感じる範囲で行います。

立ちストレッチ

立ったまま行うストレッチ

  1. 足を肩幅程度に開き、片足を前に出してかかとを床につけ、つま先を上げます。
  2. 後ろに引いた方の膝を軽く曲げます。
  3. 背筋を伸ばしたまま、お尻を後ろに突き出すようにして上半身を前に倒します。
  4. 前脚の太ももの裏に伸びを感じる位置で、20~30秒キープします。
  5. 反対側も同様に行います

ワンポイントアドバイス

腰が床から浮かないように注意しましょう。痛みを感じる場合は無理をせず、気持ちいいと感じる範囲で行います。

椅子ストレッチ

椅子に座って行うストレッチ

  1. 椅子の端に浅く座り、背筋を伸ばします。
  2. 片方の足を前に出し、かかとを床につけてつま先を天井に向けます。
  3. 背中をまっすぐに保ったまま、おへそを太ももに近づけるように上半身をゆっくりと前に倒します。
  4. 太ももの裏に伸びを感じる位置で、20~30秒キープします。
  5. 反対側も同様に行います。

ワンポイントアドバイス

腰が床から浮かないように注意しましょう。痛みを感じる場合は無理をせず、気持ちいいと感じる範囲で行います。

今回は腰痛を撃退するストレッチ方法についてお話ししました。腰痛は生活上でストレスになるばかりか放っておくとどんどん辛くなります。毎日、仕事や家事、子育てや親の介護に明け暮れて、なかなか自分のケアを置き去りになりやすくなります。朝起きたとき、日中、寝る前などタイミングを見つけては、地道に筋肉をストレッチしていきましょう。あなたの腰痛が少しでも良くなることをお祈りしています。